創立のきっかけは、チェルノヴイリ原発事故ののち、五人の子供をもつ主婦が中心となり、原発に依存する地元の電力会社に対して起こした反対運動だった。
驚くべきことに、彼らの対抗プランは、市民がお金を出して独占契約を買い取り、自らの手で市民所有の水力、太陽光、天然ガス、再生可能エネルギーによるエコ電力会社を創立するというもの。
到底不可能に思えたプランながら、幾多の問題を乗り越え、これが最終的に実現。社員40人弱の小さな会社ながら、現在ではドイツの10万を超す顧客に、原子力と石炭フリーのエコ電力を供給している。
シェーナウ電力会社については、2011年4月28日付の本ブログの記事でも紹介ずみ。
http://philosophyofgreendimension.blogspot.com/2011/04/gruner-nobelpreis-fur-die-mutter-der.html
An initiative of Elektrizitätswerke Schönau
100-gute-gruende.de/pdf/g100rs_jp.pdf
(↑PDF)
そのシェーナウ電力会社が作成したパンフレットが、日本語に翻訳されている。原子力エネルギーの危険性がわかりやすく述べられている。
「原子力に反対する100個の十分な理由」
~100 gute Gründe gegen Atomkraft~An initiative of Elektrizitätswerke Schönau
100-gute-gruende.de/pdf/g100rs_jp.pdf
(↑PDF)
以下の記事も参考になる。
また、このシェーナウ電力会社の創立までのドキュメントも日本語訳がつけられアップされている。まだ1/6と2/6だけだが、原発問題を考えるにあたって、とにかくも市民全員が集い、議論を交わすことの重要性を認識できる。この点で、徹底的に議論を交わすドイツの文化はわれわれが見習ってよいものだ。
さらなる課題は、その議論を、われわれの住まうこの場所に足をつけたものとして展開すると同時に、決して近視眼的にならず、想像を絶する遥か未来にも目を向けて展開しなければならない、という点にある。われわれが直面しているのが、百年や二百年などといったレンジを大きくはみ出る「時間」の問題であることを忘れてはならない。オンカロは、そうした深刻な問題の所在を教えてくれるいい例だろう。